カゴシマレトロ 建築編。Vol.1
こんにちは。酒匂です。
鹿児島県には、建築として価値が認められた建物がいくつかあり、
その中には、鹿児島市内に建っているものもあります。
その一つとして、中央公園の横に建っている
「鹿児島市中央公民館(旧鹿児島市公会堂)」があります。
旧鹿児島市公会堂は、昭和2年に完成しました。
設計は、辰野金吾の弟子、片岡安。
ゴツい壁にちっちゃい窓、アーチをデザインとして取り入れた、ロマネスク様式の建築です。
1階出入口上部は3つの円形アーチですが、
2階の窓の上部は肉まんのようなシルエットの尖塔アーチも取り入れた欲張りなデザイン!
尖塔アーチは円形アーチよりも新しいゴシック風のカタチで、
その両方を取り入れた変わった試みがみられます。
石造のピラスター(付け柱)は、昭和初期ならではの重厚感でアーチのデザインもなんか面白い。
使っている石は、ブラタモリの鹿児島編でやってたように溶結凝灰岩なのでしょうか?
持ち送りは繰型を象ったもの。模様は何を描いているのかさっぱり分かりません。
建物によってお花や幾何学模様だったり色々あって、
その時代に流行ったデザインが使われるので、よく見てみると面白いですよ。
古い洋館といえばモルタル仕上げのドイツ壁。荒々しくてかっこいい仕上げです。
実は、こんな外観をしておいて、グーグルマップで建物を見てみると、瓦屋根なんです。
昭和初期の洋風建築は、特に鹿児島では過渡期であったと思います。
まだまだ造り慣れた在来の工法を併用しながら建築しました。いわゆる擬洋風の建築です。
いろんな試行錯誤があり、当時の仕事を想像することができます。
意外と身近にあったりするんですよ。その話はまた次回にでも。
Sakou
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